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ビン貯蔵か、カメ貯蔵か

先週のブログでは、「仕次ぎをしたほうが、おいしい古酒になるよ」という文献をご紹介しました。こういうお話って「正しく伝えないと…」と思ってしまい、かたい文章になってしまうのが欠点です。文章力ダイジ…

そんなことはいいとして、この文献では仕次ぎの話題以外に2つ、興味深い結果が示されていたのでご紹介します。

①貯蔵年数と刺激感に相関なし

これはけっこう衝撃的な内容じゃないですか?私も「泡盛は年数が経つことによって、まろやかになりますよ~」って説明しちゃってましたが、そうではないですよということですね。長い間貯蔵していても刺激感があるものもあるし、貯蔵期間が短くて刺激感の小さいものもある。貯蔵長い=まろやかとは一概に言えないわけですね。今度からどう説明しよう…

②ビン貯蔵 VS 甕貯蔵

「ビン貯蔵と甕貯蔵どっちがいいの?」はよく聞かれる質問の一つです。んで、甕貯蔵酒とビン貯蔵酒の香味特性の違いはけっこうハッキリしているようです。

甕貯蔵は、ビン貯蔵と違って、「甕」特性がでるというのは予想通りの結果です。そのほかに顕著な違いとしては、「刺激感」が低く、「オイリー」が高いことです。①でも述べましたけど、「刺激感」は貯蔵年数と相関がないので、何かしら甕の効果がありそうですね。あと、やや差は小さいながら「カラメル様」も甕貯蔵酒のほうが高くなっています。沖縄工業技術センターの報告で、カラメル様の香り物質であるソトロンを甕貯蔵酒から見出したというのがあり、その報告と一致する結果となってます。

というわけで、ビンと甕では同じ泡盛を貯蔵しても、将来的には、かなり違った酒質になる可能性があります。刺激感の低下、カラメル香の付与といった効果を考えると、貯蔵容器には甕に軍配が上がりそうです。ただし、「甕」の特性は味の評価を下げる可能性も指摘されています。どんな甕を選ぶかは、重要になりそうです。

<香味特性の定義>
「カラメル様」・・・カラメル、蜂蜜、糖蜜を連想する香り。
「刺激感」・・・刺激的な口あたり。辛味、渋味などの口中感覚も含む。
「オイリー」・・・舌にまとわりつくような油っぽい口あたり。
「甕」  ・・・甕、土を連想する香り。金属味を伴う場合もある。

参考文献:日本醸造協会誌 7 (2021)