【特別対談】2021年ミラクルくん干支ボトル開発秘話

2021忠孝酒造×miracle-kun

ミラクルくん干支ボトル開発秘話

2020年夏から始まった、忠孝酒造とデザインプロダクション「DOKUTOKU460」のコラボプロジェクト。第2弾となる今回は、「DOKUTOKU460」代表の城間英樹氏の息子さんであり、沖縄が誇る若き天才イラストレーター、11歳のミラクルくんとコラボレート。2021年より年に1度、計12年かけて発売していく干支ボトルのイラストをすべてミラクルくんが手掛けます。この長きに渡って続くプロジェクトについて、忠孝酒造代表の大城勤と、城間英樹氏が対談。2人の本企画に対する想いや、ミラクルくんの魅力をより深く知るためのエピソードなど、たっぷりお話を聞くことができました。

--忠孝酒造としては、以前からオリジナルの干支ボトルを販売していましたが、今回新たにミラクルくんのイラストを起用することになった経緯を教えてください。

大城勤(以下 大城):2006年から2017年までの12年間、版画家の名嘉睦稔さんとコラボした干支ボトルを販売してきました。睦稔さんに描き下ろして頂いた12支の絵を自社の甕ボトルにサンドブラスト(圧縮空気で砂を吹きつけ彫刻する加工)したオリジナルデザインです。その12支が一回りしたところで、次はどなたに描いてもらおうかと実はずっと考えていたんですが、たまたま観ていたテレビでミラクルくんの存在を知って。これは何か一緒に作ったらおもしろいことになるぞ、と直感しました。その後、お父さんの城間英樹さんと出会う機会がありコラボプロジェクトを立ち上げることになって。第1弾は、城間さんが手掛ける「夢航海」のオリジナルデザインパッケージ、そして第2弾はミラクルくんのイラストを使った干支ボトルでいこうと。プロジェクトが始まる前の4月には、城間さんからのご提案で、消毒用アルコール「CHUKO65%」にミラクルくんが描いたアマビエのイラストタグを付けて販売しました。

ミラクルくん「アマビエ」イラストタグ

--社長は、ミラクルくんのイラストのどんなところに惹かれたのですか?

大城:たった5分くらいでパパッと1枚の絵を描いてしまう。まずそれが衝撃だったのと、仕上がりも非常に特徴のあるタッチでおもしろい。沖縄にこんな素晴らしい才能を持ったお子さんがいるんだと感動しましたね。ただ、干支ボトルはアルコール飲料商品なので、そういったお仕事を未成年に依頼してよいものかという懸念もあって関係各所に確認したところ、問題ないと。コマーシャルとして使ってはいけないけれど、イラストレーターとして商品制作に関わることは大丈夫ということだったので、是非ミラクルくんと12年間一緒に仕事をさせて頂きたいと契約に至りました。

--では、改めて「ミラクルくん」とはどんな人物なのか、お父さんの城間さんから教えて頂けますか?

城間英樹(以下 城間):何の計算も欲もなく、素直100%で生きている子。家ではいつもパンツ一丁でゲームしている、ふつうの小学6年生です(笑)

--ミラクルくんという名前の由来は?

城間:彼は、毎日必ず笑わせてくれるんです。朝起きてきたと思うと、座ったまま、また寝る。僕が「起きなさい」って言うと、右半分だけ起きてるふりして左半分は寝てる。この様子がおもしろくて動画をSNSに投稿していたら、いろいろな人から反響があって。そうやっていつもみんなの笑顔を作ってくれるので、“奇跡の子”という意味で名付けました。SNSで本名を伏せたいという理由が第一だったんですが、ただ“息子”と書くより、おもしろくて意味のある名前をつけてあげたかったので。

--では、イラストレーターとして活動するために名付けたわけではなかったんですね。

城間:そうですね。5年前、名付けたときは作家活動もしていませんでしたし、イラスレーターでもなんでもなくて。毎日必ず笑わせてくれる、奇跡の子。

--そこからイラストレーターとして活動するようになった経緯は?

城間:昔から絵を描くのは好きだったんです。ミラクルくんの上に娘が2人いるんですけど、よく3人で一緒に絵を描いていました。きっかけとなったのは2年前、妻が「これ見て!」とLINEで送ってきた1枚の絵。ドラゴンボールのキャラクター、ベジータが描かれていたんですけど、これがものすごく独創的で。ベジータって本当は強くて怖いキャラですよね。でもミラクルくんが描いたベジータは詐欺師みたいでおもしろかった(笑) で、これをSNSに投稿したら「このTシャツが欲しい!」とか反応がものすごくて。そこで僕も、作家目線で見ると彼の脳内フィルターはものすごくおもしろいんじゃないかと気づいたんです。その瞬間から、父親ではなくアート業界のマネージャーとしての考えに切り替わったというか。いちアートディレクターとして、彼の絵の素材を使ってデザインを構成してみようと。ミラクルくんがマジック一本で描いた絵を僕がスキャンして、パソコンに取りこみ、彼はイラストレーターを使って好きな色を塗っていく。そこで完成したものを発表していくうち、いろいろな人に見て頂く機会が増え、徐々に仕事の依頼を頂くようになりました。

伝説のベジータ ミラクルくん色入れ作業風景

--絵を描く上で、技術的に教えたことはありますか?

城間:それはないです。パソコンの技術に関して教えることはあるんですけど。もともとマジック一本で描くというスタイルも狙ったわけではなく、たまたまそこにマジックがあって描かせてみたらいい感じにハマったから、それを続けているというだけで。どちらというと僕が教えているのは、心の部分ですね。よく子供3人に言うんです。「絵というものは心が出るから、中途半端に描いたら自分たちの評価も中途半端に見られるよ。絵にプライドを持つんだったら心をこめて書きなさい」と。それを一番忠実に守っているのがミラクルくん。

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--確か、絵を描くときの三か条があるんですよね。

城間:「心を込めて描く、写真をよく見て描く、集中して描く」。この3つをしっかり守るんだよって約束しています。イラストレーターで色を塗るときも、パレットからありものの色を選ぶのではなく、自分でオリジナルの色を作らせるようにしていて。なんでもポンポン簡単に進むと思わないでほしいんです。あえてモノづくりに対して苦労させたい。だから、「父ちゃんも絵を描くときは、何回もトライ&エラーして仕上げているんだよ、ミラクルくんもやってごらん」って。そういう取り組み方の姿勢、心の部分の教えは大事だと思うので。あと、仕事で描くときは“ものを見て描く”という約束事を作っています。いわゆる風景画家と一緒ですね。この世にないものを描くダリのような抽象画家とは違って、ミラクルくんは見て描くっていう約束事がないと描けないんです。何も見ずに描いてっていうと、マッチ棒みたいな人間とか、急に幼い子供が描いたようなまったく違う絵になる。彼の中のどこにそんなスイッチがあるのか、おもしろいなと思うんですけど。

ミラクルくん動物&スポーツシリーズ

--仕事の依頼で絵を描くとなると題材が決まってきますよね。たとえば今回だと12支を描くという。中には「これは描きたくない」と言う対象物もあったりするのでしょうか?

城間:それがないんですよ。なんでも描きます。「この仕事来てるから頑張ろう!」って僕も言いますし、本人もふだんのお絵かきではなく仕事だってわかっているんですよね。将来プロになって父ちゃんと一緒に仕事したいって言ってくれてるので、それには今こういう一つ一つのことが大事なんだよって話していて、彼もそこに抵抗はないみたいです。あと純粋に、人に絵を見てもらうのが嬉しいみたいで、だから素直に楽しく描けているというところがあると思います。ただ、ミラクルくんには描けないものがあります。たとえば柔道で人と人がすごい状態で絡まってる様子とか、情報量が多いもの。中の手が一体どうなってるのか? そう理解できない部分があるとぐちゃぐちゃな絵になってしまう。それはそれでおもしろいんですけど、彼のいいところが100%伝わるか?といえば違うかな、と。なので、僕はマネージャーとして、彼が見たときに描きやすい写真を用意するようにしています。ディテールがしっかり写っている写真を探してきたり、白い動物に白い背景だと境目がわからないから背景を黒く塗りつぶして準備してみたり。

大城:なるほど。城間さんも、よくミラクルくんを見て、何が得意で何が苦手か、いろいろな側面を理解しているからこそ、そういうことが自然とできるんだろうな。

城間:僕の中にミラクルくん取り扱い説明書があるので、それにそって仕事を進めることで、彼の個性を最大限に活かしてあげられるかな、と。息子だから云々じゃなく、プロという立場から見て、ミラクルくんは明らかにほかの人が描けない絵を描いているって思うんです。そこをちゃんと皆さんに見てほしい。子供の落書きって思われたくないんです。ひとりのイラストレーターとして認めてもらえるためにはどうしたらいいか、そのために自分ができることを考えてサポートしていきたいと思っています。

--今回の干支ボトルは、そんなミラクルくんと忠孝酒造が12年間タッグを組むプロジェクト。社長は、どのような思いで本企画を決めたのでしょうか?

大城:この若き天才イラストレーターを応援したい。その思いが一番強かったです。そしてミラクルくんが、この先12年間でどういうふうに成長していくのか、絵のタッチがどう変わっていくのか。僕自身そこにとても興味があり、その過程を共有したいという思いがありました。まして11歳から23歳という変化の多い年頃。一緒にものづくりをしていくことで、我々にとっても大いに刺激をもらえると思っています。今から楽しみで仕方ないですね。

--城間さんは、このプロジェクトについてどう感じていますか?

城間:正直僕がやりたかったです(笑) ミラクルくんが羨ましい!と思ったくらい、絵描きとして表現者として魅力的なプロジェクト。12年間一緒にやりましょうと言ってくださる企業さんなんてなかなか巡り会えないですし、一人の子供を応援したい、成長を見たいという感覚でオーダー頂いているのが親としてすごく嬉しいです。自分たちが住む豊見城市の酒造ということで、彼にとっても思い入れの深い仕事になるはず。今はまだわかっていなくて説明しても「へぇ! そうなんだ!」って感じですけど(笑)これから先の絵の変化も楽しみですし、9年後ミラクルくんが成人してみんなで一緒にこの泡盛を飲める日もすごく楽しみです。

--干支ボトル販売スタートの2021年は、丑年。なんとミラクルくんも丑年だそうですね。
透明ボトルに牛の顔がどーんとプリントされたインパクトのある仕上がりです。

大城:最初、全身の絵と顔だけの絵と両方を提案して頂いたんですけど、見た瞬間に「顔のほう!」と即決しました。

城間:僕も、顔だけのほうがミラクルくんらしさが出ていると思ったので、選んで頂いて嬉しかったです。

--中の泡盛はどんなものが入るのでしょうか?

大城:ミラクル干支用に、私がオリジナルブレンドを行いました。
こだわったことは、すぐに飲んでも、12年間じっくり熟成させても、おいしく楽しめること。当社独自製法のスペシャルな古酒をアクセントに加えることで、はじめの口当たりは柔らかでありながら、最後に古酒の深みがしっかりと感じられるような味わいに仕上げています。35度は熟成するのにも、ロックや水割りで楽しむにも親しみやすい度数です。12年間、年ごとにブレンドを行うので味わいの変化はあるかもしれません。泡盛の醍醐味は、熟成により風味が深まっていくこと。ぜひ12本すべてそろえて頂いて、ミラクルくんの12年間のイラストを見比べながら、飲み比べる楽しさも味わってほしいですね。

<2021MIRACLE-KUN干支ボトル(丑)>ページへ

--では最後に改めて、今回のミラクルくんとのコラボ企画をとおして伝えていきたいメッセージなどがあればお願いします。

大城:忠孝酒造として以前から取り組んでいることですが、今回も売り上げの一部を障がい者支援施設へ寄付することにしています。ミラクルくんも子供なので、12年間一緒に作る商品をとおして、なんらかの形で地域に貢献していけたらいいなと。ミラクルくんは、今後沖縄だけでなく、必ずや国内外で飛躍していく才能豊かなイラストレーター。忠孝酒造も目指すは世界。この先一緒に歩んでいけるということで、未来に希望を感じていますし、素晴らしい出会いに感謝しています。

城間:12年間のミラクルくんの成長の記録であり、絵の記録。それが商品として販売されるという作家としてとても感謝したい案件。大事にしていきたいです。今、ありがたいことに、いろいろなブランドさんや企業さんからコラボの話を頂いていて、ミラクルくんにとって2021年はより一層活動の場が広がっていく時期だと感じています。僕としては、ミラクルくんに関わってくださった人、全員でハッピーになりたい。手をとりあってみんなで盛り上げて、いつか大きな力になったときには、ニューヨークで展示会とか海外を目指したいです。 “沖縄から世界へ、さらにその先へ” 。「夢航海」のデザインにも込めた、その思いを近い未来に実現したいですね。

取材・文/岡部徳枝

2021MIRACLE-KUN干支ボトル(丑)
35度 500ml

沖縄県内各量販店、酒販店、及び忠孝酒造直営店(くぅーすの杜 忠孝蔵)、忠孝オンラインショップでの販売となります。

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